初めまして、へっぽこボウラーと申します。
・60代男性
・自営で賃貸駐車場を経営、前職は30年以上システムエンジニアをしていました
・もともと作家でしたが途中で断念し、趣味でやっていたプログラム作成が本業となりました
・現在では、小説をAmazonで販売しています。
ざっくり言うと、私の自己紹介はこんなところになります。
おすすめの紹介
さて、そんな私ですが、今回はショーペン・ハウアーの「幸福論」をお勧めします。
ショーペン・ハウアーと言えば哲学者ですが、この本は哲学者が述べる処世術です。
つまり「いかにして過ごせば、少しはマシな人生が送れるのか」を書いた本です。
この手の物は苦手、という方は多いと思います。
ですが、この本を読んで内容を理解した人と、そうでない人では実人生において大きな差が出ると私は断言できます。
なんで、そう言い切れるのか、と問うあなたに、この本の中に書かれている事を少し、そのままご紹介しましょう。
「全身が健康息災だが、どこか1つ負傷したとか、或いは何かの理由で痛い小さな箇所が有るという場合、全身の健康は格別、意識されず損傷した箇所にのみ注意が向けられ快味が失われる。万事が思い通りだが、ただ1つ、自分の意思にそむく些細な事があると、その事ばかり考え、それ以外の、もっと重要な思い通りになっている事は、ほとんど考えない。意思の満足はいつも消極的・否定的に働き、直接的に感じられない物である。それに対し意思の阻害はいつも積極的・肯定的に感じられる物である」
これを要約すると「人は幸福には鈍感で不幸には敏感である」という事です。
五体満足な人は、それ自体を幸福とは感じませんが、事故で片足を失ってみて初めて五対満足である事が幸福であった事に気づくという事です。
実際、そう思いませんか?
「幸福は幻にすぎないが苦痛は現実である。従って一生の総決算は享楽した喜びによって立てるべきでなく逃れた災厄によって立てるべきである。
「幸福に生きる」という事は「あまり不幸でなく我慢のなる程度に生きる」と解すべきである。もとより人生は楽しむべき物ではなく克服し、始末をつけるべき物なのである。享楽が人を幸福にする、という考えは嫉む心の迷妄である。この悲嘆の舞台である娑婆を歓楽街に変えようなどと考えて享楽と喜びを目標にするのは、誠にもって、この上ない大間違いなのだが、この大間違いをやっている人は実に多い」
これは要約の必要は無いでしょう。若く希望に溢れた方々には、あまりにも「やる気をなくさせる」言い方かも知れません。
ですが、歳を取った方の中には「そうなんだよなぁ。そこが問題だったんだよなぁ」とため息を付かれる方も多いと思います。
その場の欲求や感情に動かされ享楽を得た結果、大きな負債を背負う人生を送る羽目になった方は多いのですから。
「時を待たずに要求し、時を待たず手をつける、という事はすべきでない。こういうやり方をする人は、時ほど隙の無い悪辣な高利貸しは無いという事、時は前貸しを迫られると、どんなユダヤ人よりも厳しい利息を取り立てる物だ、という事を思い知らされるであろう」
ショーペン・ハウアーは19世紀の哲学者で、その頃に住宅ローンとか自動車のローンはありません。
借金という事はあったでしょうが、それを念頭に置いた言葉ではない事が、この文の前後の文章から読み取れます。
つまりお金に限った話ではなく、あらゆる意味で、時の前借りはやめろ、と言っているのです。
この本は、このように「苦しい人生を送らないようにする」「少しでも良い人生を送るようにする」ために必要なコツを教えてくれるのです。
こんな人におすすめ
これからが人生の本番という若い人達に読んで頂きたいと思います。
実際の文章は訳文で分かりにくい表現も多いかもしれませんが、頑張って読んでみて理解して欲しいと思います。
最初はとっつきにくいかも知れません。
ですが人生で一度位、本気でこういう本を読む経験はきっと大きなプラスになるはずです。
この本に出会ったきっかけ
私自身が若い頃から「幸せ」とは、どういう状態を言うのだろうか、という疑問を持っていました。
皆、簡単に「幸せ」と言いますが、その具体的な内容として「何がどうなっていれば幸せなのか」が全く明確ではない、と思っていました。
「幸せになるために頑張る」といっても幸せの具体的な内容が明らかでないと、何をどう頑張ればいいのか分からないはずだ、と考えていたのです。
この本はそういった疑問を抱いている時に本屋でタイトルを見て「参考までに」と買ったのが、きっかけです。
おすすめの理由
現実、人間、自然の理と言うものに対する理解を、より深めて頂きたいと思うからです。
別の言葉で言うと「底の浅い人」になって欲しくないのです。
この本を読みこなせた方は「困ったらきっと誰かが助けてくれる」などという甘えを持つ事は許されないという現実を知るはずです。
自分の人生は自分で切り開くしかない、という覚悟を持つきっかけにもなるはずです。
「大人でない大人が多くなった」と言われる現代、少しでも大人になって頂きたいからです。
最後に
少し意地悪な質問をします。何も罪を犯していない普通の人を殺す事は悪い事だと思いますか?
多分、ほとんどの人が「悪いに決まってるだろ」と言うと思います。
しかし、つい80年前までは、敵国の人間を殺す事は良い事であり、讃えられる事だったのです。
つまり良し悪しの概念というのは、その時の状況によって、いとも簡単に変わるのです。
良し悪し、というのは価値観という言葉にも置き換えが可能です。
「絶対」は無い、というのは自然科学の世界では公理とも言える言葉ですが価値観においても「絶対」という言葉はありえないだろう、と私は思います。
「こうでなければならぬ」「これが正しい」というのは、その時、その場所における一時的な価値観であると考えて良いのかも、しれません。
是非とも「考える人」になって下さい。
考えると、きっと疑いが生じます。そして、その疑いを追及する勇気を持って下さい。
決して、人の価値観に流されるだけの人にならないで下さい。
それが、あなたの人生を有意義な物にするのだと私は思います。
あくまでも私の意見ですが。
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